幻のおざわうどん
昔、練馬によく通ったうどん屋さんがありました。営業中は「うどん」と書かれたのれんがかかってるだけで、看板は無し。店の2階が自宅のような感じで建物の横に小さな入り口と表札があってそこには「小澤」と書かれていたので、皆「おざわうどん」と呼んでいたんだと思います。
場所は、練馬駅前の千川通りをずっと中村橋方面に歩き、目白通りと交差しているところを目白通り側に少し歩いていった右側にある現在の「コンフォート小澤」というマンションが建っているところでした。・・・そう、おざわうどんの跡地にはマンションが建ったので、小澤さんはおそらく現在はマンションのオーナーなのでしょうね。
メニューはシンプルに、たぶんこんな感じだった・・・金額もだいたいこんな感じだったと思います(20年近く前なので記憶はアバウトです)。
・釜揚げうどん(大)600円
・釜揚げうどん(小)500円
・たぬきうどん(大)550円
・たぬきうどん(小)450円
・かけうどん(大)500円
・かけうどん(小)400円
初めて行ったとき、とにかくお客のほとんどが注文する「釜揚げうどん」を注文しましたが、そのビジュアルに衝撃を受けた記憶があります。普通は釜揚げうどんといったら、大きな桶に釜から引き上げたばかりのうどんがあったかいお湯(または茹で汁)とともに入っていて、別添えの濃いめのつけ汁につけて食べるものですよね。
しかし、おざわうどんの「釜揚げうどん」はお盆の上に丼と薬味のネギの小皿のみ。注文が入ってから打って茹で上げた太めのコシのあるうどんと、たっぷりの茹で汁、削りたての鰹節に青菜とネギ。・・・これ、調べたらありました。富士吉田のほうで食べられている「湯もりうどん」というのにそっくりでした。
とにかく、ダシの効いたかけつゆではなく、
うどんの茹で汁!
これが衝撃でしたね。提供されるときに店主が「ちょっとお醤油をかけてね」と、テーブルの上のお醤油を指して言ってたけど、お客はみんなお醤油はかけず、七味唐辛子をバンバンかけて食べてました。
うどんに含まれる塩分が茹で汁に少しずつ染み出して、鰹節から出るダシが溶け出して、ネギと唐辛子の風味が合わさって・・・最初は味気ない感じがするんだけど、途中からなんかよくわからない猛烈な旨さを感じ、最後にはまた食べたいと思ってしまう。もうね、シンプルイズベストとはこれのこと!絶品でした。
そうそう、提供される直前に店主が味の素?ハイミー?みたいな赤い小瓶をササッと振ってるのを見たことがあったので、たぶんその味わいもプラスされていい塩梅になっていたんだと思います(笑)。
(写真は小林食品のもの)
たぬきうどん、大嫌いなのに!
実は、この釜揚げうどんは注文が入ってからうどんを打って、茹でて、鰹節も削って・・・なので、提供されるまでに15〜20分くらいはかかってしまうのね。そこで、腹の減った男たちはどうするかというと、あらかじめ下茹でしてあるうどんで作る「かけうどん」や「たぬきうどん」の小と、「釜揚げうどん」の大を一緒に注文し、先に提供されるかけうどんやたぬきうどんを食べながら、釜揚げうどんを待つ、という・・・まぁなんとも素晴らしいシステムが存在しておりました。
自分は、実はちょっと邪道で・・・ここのたぬきうどんが甘辛い濃い目のかけつゆで、めちゃくちゃハマってしまい、たぬきの大と釜揚げの小っていう組み合わせで注文してました。たぬきうどん・・・嫌いですよ。揚げ玉が嫌いでね、きつねは大好き。でもおざわうどんのたぬきは揚げ玉がいい仕事してて、濃いめのつゆを和らげてくれてたんよね(笑)
あぁ〜、もう何年も食ってないのに食いたくなってきたじゃないか!現在は下記のリンクのサファイ屋っていう富士吉田あたりのうどんやで湯もりうどんが食えるらしいけど、今度行ってみよっかな!!
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